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理科ハウスで起こるさまざまなできごと。

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2022年12月25日(日) (NO.1093)


サイエンスレクチャー「もっとも身近でもっとも謎の物質の話」


今日は今年最後の開館日。

筑波から多田将さん(高エネルギー加速器研究機構)が来てくれました!



4年半ぶり、4回目のご登場です。



待ちわびてた高校生や大学生がたくさん参加してくれました。


理科ハウスでは2年くらい前から「原子のなかみ」という生解説をやっていました。

これは素粒子についての入門編みたいなものです。

今回の講演に参加してくれた人のうち、半分以上がこの解説をすでに聞いていました。

だから多田さんの話もかなりスイスイ理解できたと思います。

素粒子の話って何回聞いてもホント難しいですから。


素粒子の中でも、多田さんのご専門はニュートリノ。

茨城県東海村にあるJ-PARKから岐阜県神岡にあるスーパーカミオカンデに向かってニュートリノを飛ばす実験をやっています。



今日の話は、ニュートリノのCP対称性が破れているって話でした。

そうでないと私たちって存在できないんです。


なんのこっちゃわからんけど知りたい!って思った方は、是非「原子のなかみ」を体験しに来てください。


多田将さん、本当にありがとうございました!

久しぶりに多田節を聞けてサイコーのクリスマスになりました。

次回は「量子もつれ」でお願いします!

私たちも勉強しておきまーす。

理科ハウス 森 裕美子

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2022年12月18日(土) (NO.1092)


コロナの間の成果


今日は、お近くにお住まいの方(お二人)が、昆虫標本と昆虫写真を持ってきて見せてくれました。

なんとその数500種類以上!

すごい!圧巻です!

コロナであまり動けなかった期間に、近所を歩きながら採集・撮影したのだそうです。

どこへも行けないからこそ、この時間を大切にして活動なさっていたのですね。


そういえば先日は、葉山の海岸で化石を集めているという方が来館されました。

やはりひとりで過ごす時間に海岸を歩いているとのこと。

みなさんがコロナの間、身近な自然とどんなふうに向き合ってきたのかがわかります。


そして今はその成果が現れてくるとき。

先の昆虫標本と撮影のおふたりは、3月に逗子の交流センターで発表会をなさるそうです。

すばらしいですね。

これからコロナが収束するにつれて、「発表会」が増えるかもしれません。

みなさんの成果、楽しみにしています。

理科ハウス 山浦安曇

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2022年12月1日(木) (NO.1091)


科学成分の補給


「今日は科学の話をしたくてね・・・」

先日来館した方がこんなことをつぶやいていました。

仕事の中でも日常生活の中でも、科学の話題でおしゃべりしたり議論したりすることはなかなかないのだとか。

「科学の話をしなくても、普通に仕事はこなせるし生活も楽しめる。

だけど、ときどきめちゃくちゃ科学の話がしたくなるんだよね」

その方は科学成分の補給をしに、理科ハウスを再訪されたのでした。

理科ハウスでは時間を忘れて科学談義することができますからね。


科学成分の補給をしに来る人は、ひとりではありません。

「科学の話を心置きなくできるなんて何年ぶりかな。家族の中ではなかなか、ね」。

わかりますー!

「子どもが大きくなって、親の科学趣味についてこなくなりました」

今度はお父さんひとりで来てくださいね-。


みなさん、とても生き生きとおしゃべりしていきます。

理科ハウスは科学を楽しむ場所です。

人生のどの場面でも、理科ハウスにくれば科学を補給できます。

「あれ」が足りなくなったら、理科ハウスへ。

理科ハウス 山浦安曇

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2022年11月28日(木) (NO.1090)


色でつながる展 終了!


7月から4カ月もの間、開催していた『色でつながる展』。



延長に延長を重ねてきましたが、11月23日で終了しました。

色をテーマにした企画展は、いつかやってみたいと思って以前からネタを温めてきましたが、なかなか踏み切ることができませんでした。

なぜなら、企画展として扱うには「色」は手強いテーマだったからです。

「なぜイチゴは赤いのか」このシンプルな問いに答えるのに、量子化学まで首をつっこまなければならない。難しすぎる。

中途半端になりはしないだろうか、そもそも双方向の科学対話は成立するだろうか。

これがいちばんの心配でした。


ところがやってみたらそんな心配は杞憂でした!

来館者から、色にまつわるさまざまなエピソードがあふれだし、

「どうしてなんだろう」という自発的な発問に発展していったのです。


その発問を促すしかけとして、こんな問題を作りました。



赤、黄色、緑・・・と、色ごとに30問ほど用意しました。(色じゃないけど黒や白も)

さらに、どういう実験をしたらこれらを区別できるか、と問いかけていきます。

すると、こーしたらあーしたらとさまざまな実験アイディアが噴出し、

どんどん問いかけの数が増えていって、企画展をやめられなくなってしまったのです(笑)。


こんな問いも用意しました。



科学とはまったく関係ない問いかけですが、これをきっかけに今まで知らなかったその方の一面に触れることができました。

みなさんが紹介してくださった本を、できるかぎり読んでみました。



結果、私たちの世界もいっそう広がりました。


色でつながる展は、みなさんの知見と体験が織りなすカラフルな企画展に成長しました。

ご来館くださったみなさま、本当にありがとうございました。あー楽しかった!

理科ハウス 山浦安曇

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2022年11月24日(木) (NO.1089)


「靉日荘100年」展のご案内


千葉県房総の鋸南町に「菱川師宣記念館」があります。

鋸南町は源頼朝が船でたどり着いた地としても知られていますが、

石原純が住んでいたゆかりの地でもあります。

この記念館で「靉日荘100年」という特別展が行われています。



靉日荘(あいじつそう)というのは、石原純が原阿佐緒と住むために建てた家のことです。

この特別展では、理科ハウスが所蔵している短歌の短冊や手紙、写真などを展示していただいています。

期間は11月22日から来年の2月5日です。

鋸南町は久里浜からフェリーに乗ればすぐですね。

ぜひ、お出かけください。

チラシは理科ハウスにもあります。

菱川師宣記念館 鋸南町ホームページ

理科ハウス 森裕美子

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2022年11月13日(月) (NO.1088)


2022年ノーベル賞解説


10月にノーベル賞の発表がありました。

今年もノーベルの命日、12月10日に授賞式が行われることでしょう。

理科ハウスでは毎年ノーベル賞が身近に感じられるようにゆるーい解説を行っています。



その中でも人気はノーベル賞クイズです。

酸、アルカリで色が変わる万能PH紙を使って正解がわかったり、

電気回路を使って正解がわかったりと工夫しています。

体験した人はノーベル賞の内容よりこのしくみがおもしろい! と言ってくれたりします。

いえいえ、難解なノーベル賞の内容だって、わかりやすく説明しています。

昨日は、絶滅した人類、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの話で盛り上がりました。

「ホモ・サピエンスのホモって何?」とか。

これこれ、三度のご飯よりおいしいみんなの疑問。

年内は続けてやっていると思うので、まだ未体験の方は是非ご来館ください。

理科ハウス 森裕美子

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2022年11月7日(月) (NO.1087)


学芸員実習(Mさん編)


学芸員実習生Mさんの専攻は地球科学。

テーマは「フィールドワークを楽しもう!」です。

地学の醍醐味といえば、露頭観察。

地学系の同好会や研究会にでも入っていなければ露頭観察などすることはまあないでしょう。

そんなレアな体験を、ホンモノの道具を使って「なんちゃって地質調査」してみようというわけです。


地学専用のフィールドノートや地層面の走行や傾斜を測るクリノメーター。

どうやって使うのかを教えてくれます。


さらに、山に登った気分になって「柱状図」を描くワークショップ。


わー、これ教科書に出てたやつ!

まさかこれを自分で描けるようになるなんて。すごすぎ。


どれも見たことない、やったことないばかりでとても新鮮。

体験したAさんは、家の近くの崖をちゃんと見てみよう!見方がわかると楽しいね、と言っていました。

Mさん、地学の楽しさがちゃんと伝わりましたね。

理科ハウス 山浦安曇

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2022年11月6日(日) (NO.1086)


3年ぶりのガレージセール


今日は池子の森で市民まつりが行われました。

午前中からたくさんの方が理科ハウスの前を歩いて池子の森に向かって行かれました。

このチャンスを使って、今日は無料で理科ハウスを見学できる日にしました。


館内ではガレージセールで科学おもちゃなどの販売や古本市も。


開館の1時から多くの方が立ち寄ってくださってとてもにぎやかでした。


その中であるご意見をいただいたので、それについて少し書いておきたいと思います。

「小学生はなぜ理科ハウスに入れなくなってしまったのですか」というご質問です。

うまく、理解していただけるように理由を書いてみます。


リニューアル前の理科ハウスを「ピザ屋」に例えてみます。

そうするとリニューアル後の理科ハウスは「お好み焼き屋」になります。

ピザ屋とお好み焼き屋では、お店の設備も準備するものも違ったものになります。

今はお好み焼き屋さんなのです。

だから、ピザ屋と思って入ったのにお好み焼き屋だったということになってしまいます。

来る人からみたら、やっている人は同じなので、なんでピザは焼けないの?と思ってしまいますよね。

でも、ピザを焼こうとすると設備も元に戻さなければなりません。

    


   

上野にある国立科学博物館では、小さな子どもに合わせた「コンパス」というスペースを館内に作っています。

お好み焼き屋の中にピザ屋を作ったわけです。

   

大きな博物館だからこそできることですね。

理科ハウスは小さすぎてそれはできませんでした。

   

でも私はピザ屋も必要だと思っています。

   

ご意見をいただいて、自分の力が足りないのを痛感しますが、理科ハウスを応援していただけたらうれしいです。

   

理科ハウス 森 裕美子

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2022年10月23日(日) (NO.1085)


10月23日は・・・



今日はモルの日。

6×10の23乗(アボガドロ数)個の分子があれば、それが1モルです。

鉛筆12本で1ダースと言っているのと同じようなことです。


モルにちなんだ展示をいくつか用意してみました。

学生時代にモルに苦しめられた~という人もおられるかもしれませんが、まずは1モルの大きさを知っていることが基本。

気体の1モルはどれくらいの大きさでしょうか?

いろんな大きさの紙風船を並べてみました。

来館していた高校生が計算してみごと正解を選んでくれました。


もうひとつは、しめった空気と乾いた空気。

重たいのはどっち?

1モルの空気の重さを計算してくれた高校生。

計算したら納得!の答えでした。

皆さんもひまなときに計算してみてください。

   

理科ハウス 森 裕美子

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2022年10月15日(土) (NO.1084)


プログラミングワークショップ


今日は、プログラミングのワークショップを行いました。

実はこの企画、1年以上も前から準備していたのですが、

そのたびに感染が拡大して、実施することができなかったのです。

いよいよできるまでに状況が良くなって、開催当日から感無量です!


指導してくださるのは、山下千秋先生。

あちこちの科学教室で電子工作や科学実験の指導をなさっているベテラン先生です。

今回の参加者は「本当にやったことがない人限定」にしました。

そして「どんなことを聞いてもいい」「遠慮はしない」ということをルールにしました。


ひとり一台、ichigoJamとモニターとキーボードを用意して、ドキドキのスタートです。

先生の手作りのテキスト。なんと手描きです。

かわいい!


最初の一歩は、LEDチカチカから。

でも、専門用語をひとつひとつ理解していくことの方が先だったり。

プログラムを書けるようになると、プログラマー気分。

光センサーを使って、人が近づくとライトが付く装置もできました。


そうか、センサーがあればイメージ通りの装置が作れちゃうってことか。

センサーを見ながら、何がしたいか何ができるか考えました。


ものの1時間ぐらいで理解がぐーんと進みました。

良かったのは、わからなかったらその場で聞くことができたってこと。

先生もひとりひとりの質問に丁寧に応えてくれました。


今日はプログラミングのほんの入り口。

だけど、プログラミングと聞いて抵抗感を感じることはもうありません!

これが一番の成果です。

山下先生、教材のひとつひとつ丁寧にご準備くださりありがとうございました。


理科ハウス 山浦安曇

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2022年10月10日(月) (NO.1083)


学芸員実習(Tさん編その②)


考古学の学芸員実習、予想以上の反響でした!


今回は理科ハウスから600メートル離れている「池子遺跡群資料館」の資料がテーマ。

大学生が、展示資料を楽しむためのコツや「ここを見て!」という萌えポイントを、フレッシュな視点で紹介してくれました。


土器ぬりえ


どれが埴輪?クイズ


ほじほじ発掘体験


遺跡復元ぬりえ


話を聞いた方は「ホンモノが見たくなった」

「池子ってすごいところなんですね。知らなかった!」と大喜び。

すぐに「資料館」に足を運んだ方もいました!

(えっ、人を動かしてる)


考古学だからといって、全く科学の話が出てこないわけではありません。

放射性炭素年代測定法やテフラ分析など、両分野が重なるところでは、

来館者同士しっかりと議論が成立していました。


こうなると、もう文系とか理系とか関係ないですね。


本来なら資料館のフロアで展示を見ながら解説するのが筋ですが、

それをあえてしないで(もちろん他館だからできませんが)、

ちょっと離れたところから魅力を発信するのも全然アリなんだと思いました。


そう確信できたのも、実習生のTさんの考古愛とがんばりのおかげ。

理科ハウスにとってはちょっと冒険でしたが、冒険してはじめて見えてくるものもありますものね。

Tさん、お疲れさまでした。


理科ハウス 山浦安曇

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2022年10月1日(土) (NO.1082)


学芸員実習(Tさん編)


今、学芸員実習中のTさんは、考古学専攻です。

ん?科学館で考古学? と思われるかもしれませんね。

でも考古学研究の分析は、当然科学的手法にのっとって行われます。

科学の視点で考古学を楽しむことができないか、Tさんは独自のやり方で展示方法・解説方法を考えてくれました。


とりあげたテーマは「池子の遺跡」。

理科ハウスの近く、池子の森自然公園の入り口に「池子遺跡群資料館」があります。

ここには池子の地から発掘された旧石器時代から近現代までの出土品が展示されています。

きれいに並べられた土器や農耕具の数々・・・しかし考古学の知識がないとその価値を読み解くことは難しすぎる・・・。


そこで、Tさんは考古学を理解するための4つのワークシートを作ってくれました。

土器に色を塗ったり、なんちゃって発掘シミュレーションをしたり、分析クイズをしたり。

遊び感覚でできるものばかりなので気軽だし、なにより新しいことを知るってとても楽しい!


体験してみてわかったのは、池子の遺跡群ってけっこうすごいのね、ってこと。

これはもういちど資料館にいって、自分で確かめなくては!

他のジャンルの博物館に行く機会をつくる科学館って、あんまりないですよね(笑)。



解説日は、10月9日(日)と10日(月・祝)の2日間のみです。

体験したい方は必ず予約の上、ご来館ください。

(混雑を避けるため、すいている時間をご案内いたします)

理科ハウス 山浦安曇

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2022年9月9日(金) (NO.1081)


学芸員実習(Mさん編)


今、学芸員実習中のMさんは、化学専攻です。

Mさんは先日のサイエンスレクチャー「カガクのメガネで見るセカイ」にも参加してくれたので、

その内容に関連する展示を考えてくれました。


テーマは「分子のおなまえ」。

分子模型を見て、どんな構造なのかどんな名前なのかを考えてみよう!というものです。

化学を専攻していない人にとっては、ちんぷんかんぷんかもしれません。

でもMさんの解説を聞くと、だんだん分子の決まりごとが見えてきます。



そうすると、なんか分子っておもしろーいと思えてくるから不思議。

構造式がわかるようになると、ちょっとかっこいいよね。

Mさんの分子愛あふれる解説を聞きにきてください。

理科ハウス 山浦安曇

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2022年8月25日(木)・29日(月) (NO.1080)


中学科学部で貸し切り


夏休みのラストは、K中(8/25)とF中(8/29)の科学部が貸し切りで利用してくれました。


コロナで科学部の活動が制限されていて、今回の来館は久しぶりの活動とのことでした。

どちらの科学部も理科ハウスに来るのがはじめての人ばかりでしたので、

まずは理科ハウスの定番展示から体験です。

対象を中学生以上に特化した理科ハウスの展示は、他の科学館とはテイストがちょっと違います。

展示してあるものを片っ端からいじってみる中学生。

まずはとにかくやってみる。そうでなくっちゃ!


実施中の「色でつながる展」にも挑戦してもらいました。

なぜその色になるのか?をいっしょに考えます。

みんなの集中力がとぎれません。

久しぶりの一体感でした!

2時間の時間制限の中ではやり残したところもあったでしょうね。

2学期が始まって落ち着いたらまた遊びに来てください。

   

理科ハウス 山浦安曇

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2022年8月21日(日) (NO.1079)


サイエンスレクチャー「カガクのメガネで見るセカイ」


今日は大学生と大学院生のふたりがお話をしに来てくれました!


参加してくれたのは主に高校生と大学生。

自分よりちょっと先輩にあたる人の話を聞くのは参考になることがたくさんあったのではないでしょうか。


お話は、科学の過去、現在、未来を見渡す壮大なストーリーでした。



レウキッポス、デモクリトス、トリチェリ、ゲーリケ、ボイル、ブラック、ラボアジェ、プルースト、ベルトレー、ドルトン、アヴォガドロ。

実験を交えながら科学史を過去から現在までたどります。



ここで、逗子にゆかりのある「化合物」も登場!

グルタミン酸ナトリウム、つまり「味の素」です。



味の素が何で逗子に関係あるのか知りたい人は「おもしろ科学史エピソード」の第二十九回を参照してください。


そして加藤昂英さんの卒業研究「ダイヤモンドの双子」の話!



後半は、科学と政治の間で起こる問題を考えるトランスサイエンスの紹介です。



トランスサイエンスは、これからの社会には避けられない問題です。

科学の進歩は科学者達の中だけでは解決しないから。

このワークには、大人も学生も全員で真剣に取り組みました。



カガクの見方を深める書籍もたくさん紹介してくれました。



加藤昂英さん、加藤多笑さん、企画から準備までありがとうございました。

   

理科ハウス 森 裕美子

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2022年8月18日(木) (NO.1078)


学芸員実習(Tさん編)


前回に続き、もうひとりの学芸員実習生を紹介します。

地球科学を専攻するTさんです。

Kさんと入れ違いに実習に取り組んでいます。

Tさんの選んだテーマは「砂」。

実際に研修で訪れた湘南海岸の6カ所の砂を使って、どのエリアの砂かを当てるクイズを作ってくれました。



えっ、そんなに離れていないのに、砂ってそんなに違いがあるの?

ところが、顕微鏡で砂を観察すると違うんです!

粒の大きさや色、鉱物以外の貝などの破片。そういったものが少しずつ違うことがわかると、ではどこのエリアの砂?と推理したくなります。

潮の流れは? 湾の形状は? 川の位置は?など、Tさんの巧みなヒントに促されて、眼の解像度が高くなっていきます。

実体顕微鏡を使って推理するというのが、探偵みたいですごく楽しい。

このワークには、中学生から学校の先生までたくさんの方がチャレンジしました。

他の砂浜でもやってみたくなりますね。自由研究にピッタリのテーマです。

   

理科ハウス 山浦安曇

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2022年8月17日(水) (NO.1077)


学芸員実習(Kさん編)


学芸員課程を履修している学生にとって、昨年は大変な年になりました。

コロナ禍で博物館で実習する機会が奪われてしまったのです。

特に4年生は厳しい状況に置かれていました。

今年になっても相変わらずの感染状況ですが、理科ハウスではできることを少しでもと思い実習を受け入れました。

Kさんは、地球科学を専攻する大学生。

科学館のボランティア経験があるKさんは、先日の「サイエンスフェスティバル」でも小学生を相手に大活躍してくれました。


理科ハウスの学芸員実習では、「自分の研究を一般の方にわかりやすく解説する」というミッションがあります。

Kさんは地球科学の王道、「岩石」に関する展示を制作してくれました。



たくさんの石の中から、似たようなパターンの石を分類していくのですが、これがけっこう難しい。

Kさんは大きさや密度などに注目してね、と見分け方を教えてくれます。

自作の岩石薄片も持参して偏光顕微鏡で観察。

のぞいた中学生は思わず「わあ、きれい!」

偏光でみた岩石なんて教科書でしか見たことないもんね。これはいい体験になりました。

地学の楽しさがちゃんと伝わる展示解説になりました。

   

理科ハウス 山浦安曇

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2022年8月13日(土) (NO.1076)


理科ハウスがグランプリ?


読売新聞神奈川県版「神ー1 グランプリ」のコラムに理科ハウスの記事が出ました!



取材してくれた記者さん、「僕は文系だから」と言いつつ楽しんでくださいました。

理科ハウスに来れば文系も理系もいいっこなしですよ。

記事は素敵にまとめてくださってありがとうございました。

理科ハウス 森裕美子

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2022年8月5日(金) (NO.1075)


サイエンスフェスティバル2022 3日目


最終日は、県立横浜栄高校サイエンス部の登場です。


ワークメニューは、

スライムを科学する

スライムを作るだけじゃない! なぜスライムはスライミーなのか分子構造から解説。


生きものクイズ

昆虫や魚についてのクイズ。なめてかかってはいけない難問の数々。生物好きの子も苦戦!


脳をだます

何度見ても不思議な絵。だまされる脳のしくみも解説。


輝くパインあめ

ブラックライトを使った実験。蛍光とは、電磁波とは。次から次へと投げかけられる質問にも対応する高校生。


マインドストームでプログラミング

黒い線に沿って走る車。プログラミングのやり方を教えてくれました。


烏田先生のサイエンスショー

テーマは「数」。先生でありながらパフォーマー。烏田先生オンステージはもはや理科ハウスの名物イベントに!


サイエンス部のみなさんは、今日の発表のために自分たちで一から企画を練り、解説動画を作ったとのこと。

逗子市沼間中学校科学部のメンバーが来館したのですが、その丁寧な解説にびっくりしていました。

   

「科学を楽しむだけではなく、人に解説する機会を持つことが大切。人に説明するためにものすごく勉強することになるから」と高校生。

   

さすがです!

   

高校生のお話がわかりやすかった。どんな質問にも答えてくれて嬉しかったと来館者も喜んでいました。

夏休みのイベントということもあって準備が大変だったと思います。そして顧問の先生方のサポートに感謝申し上げます。

県立横浜栄高校サイエンス部のみなさん、先生方、ありがとうございました。


理科ハウス 森裕美子 山浦安曇

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2022年8月4日(木) (NO.1074)


サイエンスフェスティバル2022 2日目


二日目は、鎌倉学園科学部の登場です。

担当してくれるのは中学2年から3年生までの5名+先生。

鎌倉学園のワークショップは理科ハウスの夏のイベントの恒例になっていましたが、コロナで中止。3年ぶりの実施となりました。


ワークメニューは、

超簡単モーター

磁石と電池でくるくる回るモーターを作りました。


水中シャボン玉

普通のシャボン玉と逆、水の中にシャボン玉を作りました。液を垂らす角度が難しい!


液体信号反応

ペットボトルに入っている液にある薬品を混ぜると不思議。青から赤そして黄色になりました。これをまた振ると青に戻ります。


超伝導実験

市江先生が液体窒素を使って超伝導の実験も見せてくれました。


鎌倉学園科学部は、「科学の祭典」などで発表を重ねているだけあってプレゼン力がハンパない!

   

毎年、先輩から後輩へその技が伝授されているのも素晴らしいです。

   


   

今日は、館長がFM東京「サステナ*デイズ」に生出演したこともあって、放送を聴いたという方が何人か来てくれました。

   

ラジオの反響、すごい!

   


       

鎌倉学園科学部のみなさん、顧問の市江先生、ありがとうございました。


理科ハウス 森裕美子 山浦安曇

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2022年8月3日(水) (NO.1073)


サイエンスフェスティバル2022 1日目


今日から3日間は理科ハウスのオープンデイです。

小学生(3年生以上)も予約なしで科学工作や実験を体験することができるスペシャルな3日間。

一日目のワークショップを担当するのは、大学生です。


ワークメニューは、

ぴょこっぷ

クランクのしくみがわかる工作。紙コップとストローとクリップだけで作りました。

自分で作ったキャラクターがぴょこぴょこ動きます。


パンゲアのなぞ

3億年前の地球の大陸を現在の大陸へ移動させるパズル。「パンゲア」という言葉を初めて知る人も。


どうして穴だらけ?

石にある穴はどうやってできたのか推理しました。

謎を解き明かしていくのは楽しい!


ガチャごま

ガチャカプセル、竹串、たこ糸などを使ってくるくる回るコマ。

お気に入りのおもちゃができました!


アイドルマイク

しゃべるとエコーがかかってアイドルになった気持ちになれるマイクを作りました。


マジックウォール

偏光板を使って不思議な壁を作りました。


ビー玉びゅんびゅんゴマ

縦型のぶんぶんゴマです。うまく回せるようになるには練習が必要。

中学生とお母様が担当してくれました。


六角がえし

一枚の細長い紙を折って六角形を作り絵を描きました。イラストがくるくる変身します。

手が足りなくなって近所の高校生にHELP!すぐに駆けつけてくれました。


参加した小学生が帰宅してから、おうちの方に「おねえさん、おにいさんのお話がわかりやすかったよ。こんな実験したんだよ」と話してくれたんですって。

楽しんでもらえたようで良かった!

さて、明日からは科学部の登場です。


理科ハウス 森裕美子 山浦安曇

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2022年7月31日(日) (NO.1072)


サイエンスレクチャー「新しい種が生まれる時」寺井洋平先生


2年3ヶ月延期していたサイエンスレクチャーがやっと実現できました!

感染者数が増えているなかでの開催は心配でもありましたが、無事に終えられてホッとしています。

お話してくださったのは、総合研究大学院大学 先導科学研究科 生命共生体進化学化学専攻 寺井洋平さんです。




今日のテーマは「種」でした。

どうやって種の分化が進んでいくのか、サルのなかまのマカク、魚類のシクリッド、オオカミとイヌ、サンゴ、地衣類など。

興味深かったのは、「どうやって調査したのか」そのやり方です。

実際にシクリッドの調査で訪れたアフリカのタンガニイカ湖、マカクの調査で訪れたスラウェシ島。

まずそこまで行くまでの話、現地での生活の話、危険動物の話など、まるでダーウィンの地球航海記を聞いているようです。


そしてなにより感心したのは、高校生や大学生からたくさんの質問が飛び出したこと。

レクチャーというより、ゼミのディスカッションの雰囲気!

やはりライブの楽しさは格別です。

それは終わった後の部屋のあちこちから聞こえてくる雑談から感じることができました。

みんなが名残惜しそうになかなか立ち去りません。

先生の回りにも人だかり。



みなさん、密になってますよ(笑)



途中で総合研究大学院大学の大学院生Oさんが飛び入り参加!「大学院ってこんなところ」という話をしてくれました。総研大めちゃ楽しそう!


レクチャーでは、湖の深さでシクリッドの視覚が異なる話、蛍光をだすサンゴの話が出てきました。

今ちょうど開催中の「色でつながる展」では、蛍光で光るものなどレクチャーに関連するものを展示しています。

今日得た知識を、理科ハウスで深めてください。


葉山逗子経済新聞に当日の様子をレポートしていただきました。

逗子葉山経済新聞2022/08/02

理科ハウス 森裕美子・山浦安曇

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2022年7月27日(水) (NO.1071)


池子の森で観察会


今日は、逗子と葉山の小・中学校の先生方を池子の森にご案内しました。

テーマは、「池子の森自然公園に残された貴重な自然」。


広い池子の森はすべてのエリアを観察しながら歩くと、2時間半はかかります。

この暑さの中を歩くのはとても危険! なので、ポイントを絞ってご案内しました。


観察ポイントは3つ。

三浦半島に残されたユビナガコウモリの生息地

淡水二枚貝マシジミの生息

池子層の露頭で鍵層の発見


そして、先生方には植物と植物以外の生き物の画像をひとり2枚撮影して理科ハウスに送る、というミッションを課しました。

参加者20名がそれぞれ2枚ずつ撮影すれば、40種ほどの生き物図鑑ができることになります。

終了後、先生方から早速ぞくぞくと画像が送られてきました。

同じルートを歩いていたのに、だぶっている画像がほとんどありません。

視線の違いがわかっておもしろい!

同定できた画像をアルバムにしてみんなで共有しました。

夏に見つけた花は秋にはどんな実をつけるのか、鳥の巣は同じところにあるのか、

機会があれば再び池子の森を訪れて、自然の移り変わりを見ていただけたらと思います。


理科ハウス 山浦安曇

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2022年7月26日(火)・28(木) (NO.1070)


中学科学部


思い返せば、昨年はすべての科学部の来館をお断りしていたのでした。

そもそも学校自体も校外活動を中止していたし、

すべての活動がストップしていました。

今年は感染対策をお互いにしっかりとって科学部の応援をすることにしました。

7月26日はO中学科学部、7月28日はI中学科学部です。

I中は、毎年夏に来るのが恒例になっていたので、先生に会うのも久しぶりでした。


貸し切りといってもいつものようにはいかず、

滞在を2時間に制限して利用してもらいました。


科学部の良いところは、部員同士で学び合うかたちができていること。

わからないことがあったら、上手にヒントを出しあって、

学校で学んだことを思い出しながら、勝手に探求活動していました。

私たちも久しぶりの科学対話にテンションマーックス。

忘れていた感覚を取り戻しました!

来月も科学部の貸し切りは続きます。


理科ハウス 山浦安曇

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2022年7月9日(土) (NO.1069)


夏の企画展スタート


今年の梅雨明けはびっくりするほど早かったですね。

いつもならまだ梅雨のさなかなのに。

暑かったり涼しくなったり気候の変化についていくのも大変です。


今年の夏の企画展は「色とつながる展」です。



身の回りは色のついたものであふれていますが、

ちょっと一瞬立ち止まって考えてみてください。

「なんでこの色なの?」

今まであまり気にならなかったのに、知りたくてうずうずしてきますよ!

理由を追い求めていると、物理、化学、生物、地学とあらゆる分野がつながっていきます。

わたしの見ている色とあなたの見ている色は違うかもしれません。

その違いを乗り越えて、みんなが色の不思議を体験できたらと思います。

とにかく身の回りの色についていっしょに楽しんじゃいましょう!


新型コロナ感染者数がまた増えてきているので、来館希望の方は必ずスケジュールを見て予約してください。

すでに貸し切り予約が入っている日もあるので、ご注意くださいね。

理科ハウス 森 裕美子

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2022年6月25日(土) (NO.1068)


夏至の日陰曲線観察


2021年9月秋分の日

2021年12月冬至の日

2022年春分の日と、忘れずに観察してきた日陰曲線。

ラストは2022年6月21日 夏至の日!

これでついに全クリアだ、と意気込んでいたら、

数日前から小雨が続いていて、当日もまったく晴れず・・・。

残念ながら夏至の日当日の日陰は観察することができませんでした。

まあそれでもすこしぐらいずれてもいいか、ということで晴れるまで粘りました。

24日ごろから梅雨前線が消えて、ばっちり日陰を観察することができました。


予想通りのラインに感激!

みごとな双曲線です。


見てください! 朝方9時頃までと夕方16時以降は、影が南側に出ています。

他の季節では影は昼間中北側にできますから、いつもと違う場所に日差しが入っているってことですよね。

なんか南半球にいるみたいです!

影を見ながら、オーストラリアに立っているところを妄想したりして(笑)


これから夏本番になってきますが、日陰曲線はどうなっていくでしょうか。

理科ハウス 山浦 安曇

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2022年6月7日(火) (NO.1067)


理科室をサポートする会 2回目


5月17日に続き、市内小学校理科室のお掃除にいってきました。

前回のお掃除の後、「あ、流しがきれいになってる!」と気づいた児童がいたと聞き、

とても嬉しくなりました。


そして今日は、廊下にいた児童が「理科ハウスの人だ。ありがとうございます!」と声をかけてくれたのです。

教頭先生が、私たちのお掃除活動のことを「学校だより」に書いてくださったからです。

自分からご挨拶ができるなんて偉い!


今日は水槽やポンプや砂利など飼育周りの物品を片付けました。

こういうのって、放っておくと悪臭の原因にもなったりするんですよね。

磨いて乾かしてすっきり収納しました。

だんだん理科室が明るくなってきました。

理科ハウス 山浦 安曇

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2022年6月6日(月) (NO.1066)


遠方からのお客さま


このところ、遠くからの来館者が増えています。

土曜日は鹿児島県から、昨日は石川県から来てくださいました。

これは、感染症蔓延防止の規制がなくなってきたおかげです。


時間の許すまで思いっきりできる会話は本当に楽しいです。

やっぱり会っておしゃべりするっていいですね!

私たちも遠くの科学館や博物館に出かけたいなあ。

おすすめの場所があったら教えてくださいね!

全国にはたくさんの博物館があります。

楽しみ方もいろいろ。

ただ見るだけじゃなく、ガイドさんや学芸員さん、ひょっとしたら他の来館者とかともおしゃべりするチャンスがあるかもしれません。

ちょっと聞いてみたいと思うことを質問してみてはどうでしょう。

もし、会話ができたら思い出の大きさも倍増しますよ!

理科ハウス 森 裕美子

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2022年5月28日(土) (NO.1065)


S高校サイエンス部


今日は、横浜市の公立高校サイエンス部のみなさんが来館しました。

こんなふうに賑わうのは、ほんとうに久しぶりで嬉しすぎます!

コロナのせいで、団体貸し切り利用なんて夢のまた夢でしたからね。

まだまだマスクしたままですけど、少しずつ日常に戻せるようになってきました。


高校生に体験してもらったのは、生解説動画「原子のなかみ」です。



サブタイトルが「教科書には出てこない話」ですから、

高校生でも聞いたことがないようなことが次から次へと出てきます。

でも、素粒子の研究はここまで進んでいて、この分野については日本の科学者は大変貢献しているってこと、

やはり知っててほしいと思います。

(もちろん大人の方にも!)


今日は生徒さんも先生方もいっしょになって、科学を楽しみました。

教え合って、議論しあって、自由な雰囲気を作れるサイエンス部、素晴らしい!

ぜひまた来てください。

理科ハウス 山浦 安曇

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2022年5月17日(火) (NO.1064)


理科室をサポートする会


理科ハウスでは、小中学校の理科室をお掃除するボランティアを行っています。

「理科室をきれいにしたいのだけど、時間がなくて・・・」という先生の声に応えて、2007年から続けている活動です。

ひさしぶりに市内の学校から声がかかり、出動してきました!


理科室でいちばん気になるところはやはり、実験台の横の流しではないでしょうか。



どうしても排水溝の中にいろいろなものが詰まってしまうんですよね。

排水の蓋を外して、ひたすらゴシゴシ・・・。



ぴっかーん! こんなにきれいになりました!

きもちいいーっ!


大きな流しは、いちばん詰まりやすいところ。


実験の後のお片付けもこれで気持ちよくできるでしょう。

理科室が居心地のいい場所になるといいなあ。

お手伝いしてくれたSさん、ありがとうございました。

理科ハウス 山浦 安曇

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2022年5月16日(月) (NO.1063)


14回目のお誕生日


今年もこの日がやってきました。

続けていれば必ず来るお誕生日。

14回目です!


前日に、Mさんが素敵なお花を持ってきてくださいました!



そして、ウクレレを持って毎年祝ってくださるYさん!



「ハッピバースディ~トゥユー~」という美しい声が、

理科ハウスの室内に何とも優しい空気を作り出します。


そのときちょうど来館していた元理科教師の方が、

「理科ハウスは面白いことが起こる。NHKのドキュメント72時間で放送してもらえばいいのに」

と言っていました。

これには笑っちゃいましたが、

たくさんの人にこの楽しさを伝えるにはどうしたらいいんでしょう。


ずっと新型コロナ感染のせいで、「来館してください」を大声で言えませんでした。

博物館にとってこんなつらい状況はないですね。

そのせいで、理科ハウスが中学生以上を対象にした科学館に変ったこともまだご存知でない方が多いのです。


初めて理科ハウスを体験、という方はめっきり少なくなっています。

コミュニケーション不足になってしまっていた2年半をこれからは取り戻さないと。

今年の夏休みは頑張りますよ!

いつも元気をくれるYさん、忘れないで応援してくれるMさん、ありがとう!

理科ハウス 森 裕美子

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2022年5月11日(水) (NO.1062)


ちっちゃい生きもの


「メダカが卵を産んだのよ。飼わない?」

と言ってもってきてくれたのは、近所の金子歯科さん。



金子歯科さんは生きものがお好きで、魚から昆虫までいろいろものを飼育しています。

これまでもヤモリを持ってきてくれたことがあります。


生きものの話をするのは楽しいし、なにより近所の方が「理科ハウスに持っていこう!」と思ってくださるのが嬉しいですね。

というわけで、飼育コーナーがにぎやかになりました。


まずは、横須賀高校からお預かりしているトウキョウサンショウウオ。



Nさんからいただいたタイリクミジンコとミドリムシ。

どれもちっちゃいものばかり!

餌やりにも温度管理にも気をつかいます。


ところで、金子歯科さんのヤモリは、理科ハウス内で放し飼いにしています。

先日は地球儀の下で寝てました。

金子ヤモリさんはあなたのすぐそばにいるかも。

見つけてもそっとしておいてあげてくださいね(笑)

理科ハウス 山浦 安曇

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2022年5月3日(火) (NO.1061)


池子の森自然情報


理科ハウスのエントランス掲示板、「池子の森の自然情報」ボード。



今ちょうど見られる生きもの情報を紹介しています。

そしてこれを更新するたびに、理科ハウス公式インスタグラムにもアップしています。


はじめのうちは反応が薄かったのですが、

最近、見てくれる人が増え始めました!

「これがあれば池子の森を歩くのが楽しくなりそう」

「今、スマホを見ながら、池子の森の中を歩いていますよ~」

とメッセージをくれる人も。


インスタグラムは、リアルタイムで発信できるところがいいですね。

自然は1週間でずいぶんと変化するので、毎週のように新しい発見があります。


先日、来館した方が「池子の森に行ったら、情報ボードと同じ所にカワセミがいました!」と報告してくれました。

池子ボードが活用されていて嬉しい!

皆さんも理科ハウス公式インスタグラムをフォローしてください。

今、初夏の緑の中で、オオルリとキビタキに出会えますよ。

理科ハウス 山浦 安曇

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2022年4月17日(日) (NO.1060)


再開 その2


「こんにちは~」

「えーっ?○○くん?」

今日も、マスク越し顔当てクイズから始まりました(汗)


高校生になると、背も高くなり雰囲気も大人っぽくなりますから、これはもう蛹から成虫を想像するようなもの。

でも、こうやって少しずつ、みんなが戻ってきてくれて本当に嬉しいです。


この日はもうひとつの再開がありました。

たまたま、彼の小学校時代の同級生が来館したのです。

彼らもまさかの4年ぶり!

こういうことってあるんですね。

ぜんぜん科学的じゃないんですが、なんの力がはたらいているんだろうとか思っちゃいます(笑)。


そして、この日もうひとつ素敵なことが。

ちょうど帰ろうと駐車場に出た方が「虹が出てる!」と教えてくれたのです。

慌てて外にでると、南東方向に見事な虹。

副虹も出てる。



よく見ると、過剰虹も!


今日は、何もかも素晴らしい一日でした。

実験はいっこもやらなかったけど。

理科ハウス 山浦 安曇

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2022年4月16日(土) (NO.1059)


再開 その1


「私、だれだかわかりますか?」

3月28日の日記にも書きましたが、マスク越しの顔あてクイズは難しすぎます!

最近会った人ならいいのですが、数年経つと十代はがらっと変身しますからなおさらです。


理科ハウスでやった思い出の実験の話をしてくれたおかげで、高2になったYさんとRさんだとわかりました!

本当に久しぶり!

彼女たちと知り合ったのは小学生低学年のころですから、もう長い付き合いになります。

コロナで休館していたこともあって、彼女たちも立ち寄るきっかけを失っていたのですね。

近所にあって、ぶらりと立ち寄れてっていうのが理科ハウスのいいところだったのに、

コロナのせいでそれができなかったのは、やはり大きな障害になっていたんだということがわかりました。


話はやはり将来のこと。

不安な気持ち、やりたいこと、じぶん探し・・・。

人体模型をいじりながら、夢を語ってくれました。

理科ハウス 山浦 安曇

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2022年4月4日(月) (NO.1058)


トウキョウサンショウウオがやってきた


トウキョウサンショウウオは、関東地方に生息する両生類。

絶滅危惧Ⅱ類に分類されており、神奈川県では、横須賀市と葉山町にしか見つかっていません。

2019年の調査では卵塊がぐっと少なくなり、このままではいなくなってしまうかもと危惧されていました。

そこで立ち上がったのが、県立横須賀高校の科学部です。


横須賀高校の校庭の脇に流れる水路には毎年春になるとトウキョウサンショウウオが産卵に訪れます。

ところがせっかく生まれた卵も、放っておくとアライグマに食べられてしまいます。

科学部では、卵塊をカウントし、ある程度大きくなるまで生物室で育て、再び現地に戻す保全活動を行っています。


保全活動の効果が現れたのか、今年はものすごい数の産卵があったとのこと。

そこで一部を分けていただき、幼体になるまで理科ハウスで育てることになりました。

毎日観察していると、どんどん形が変わっていきます。

これは、ずっと見ていられる!


陸に上がるギリギリまで育てようと思っています。

彼らの成長ぶりをぜひ見にきてください。

理科ハウス 山浦 安曇

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2022年3月28日(月) (NO.1057)


マスク越しの再開


「僕のこと、わかりますか?」

と尋ねてきた方がいました。

・・・いやー申しわけない、ここ数年、世の中がマスクで覆われているので、最近お会いした方でも認識するのに難儀しているのです。

ましてや5年以上前だとさらに難問・・・。


しかし、「F.Dです。お久しぶりです!」と名のってくれたおかげで、一気に記憶がよみがえりました。

もちろん覚えているよ。忘れるわけないよ。


彼がはじめて理科ハウスに来たのは、小学校高学年のころですから、9年ぶりの再開です。

鳥や昆虫や貝が大好きだったDくん。

今はすっかり成人になって、見違えるほどのりりしさです。

今も自分の得意分野を生かして、自然調査に携わっていると聞き、嬉しくなりました。

彼が今調査している話を聞くうち、9年のブランクはあっという間に埋まりました。



彼はりっぱな自然案内人になっていました!

私たちは彼から教えてもらう側になりました。


春休みということもあって、久しぶりに尋ねてくれる方が増えています。

彼らはかつての理科ハウスとはがらりと変わっていることに驚き、

それでもぜんぜん変わっていない私たちがいることに安心してくれます。


お互いマスク姿だけど、名のってくれればわかるから!

お待ちしています!

理科ハウス 山浦 安曇

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2022年3月21日(月) (NO.1056)


春分ライン


今日は、春分の日です。

影の観察の日です!

2021年9月23日の秋分の日、2021年12月22日の冬至にも影の観察を行いました。

今回も前回とまったく同じように、地面に棒を立て、その先端の影がどのように移動していくのか記録しました。


2021年9月23日秋分の日(黄色ライン)と 2021年12月22日冬至の日(白いライン)



さて、2022年3月21日 春分の日はというと、



ご覧ください! 秋分の日のラインとぴったり合っています!

いや、こうなることはわかっているんですが、

ぴったり重なるところを、実際に見たかったのです!

感動です。

太陽は真東から出て、真西に沈んだのですね。

地球の傾きを感じます。


さて、次は夏至の日です。

太陽高度はどんどん高くなっていきます。

太陽は、真東よりも北寄りに出て、真西よりも北寄りに沈むようになります。


理科ハウスの前を通りかかったら、

棒の影を見てください。

短くなった影に「初夏」を感じることができるでしょう。


理科ハウス 山浦 安曇

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2022年3月15日(火) (NO.1055)


究極の展示


このところ連日、高校3年生のグループの来館が続いています。

ちょうど進学が決まってその報告もかねて来てくれるのです。

どのお顔も安堵と期待に満ち満ちて、まぶしいばかりです!


一方、来年大学受験を控えた高2からは「どうやったら化学式を覚えられる?」などの相談もあったりします。

受験体験者から次の受験生へ、今は情報交換にぴったりの時期でもあるのです。


さて、今ちょっと話題になっている展示があります。



なんと、生で見たことも触ったこともないはずなのに、触った人の99%が秒で正解を言い当てます。

すぐわかっちゃうなんて、展示としては失敗作ですが、逆になんで簡単にわかるんだろう?と不思議でなりません!


実は大分前から中身は、むき出しで置いておいたのですが、

しかしそれほど注目されることはありませんでした。

いたずら心で、上の画像のように隠してみたところ、

たちまち人気展示に!


さらにこの画像をSNSに投稿したところ、「触ってみたい」「気になる~」「臓器ですか?」など次々に反応が寄せられました。

え?触ってもいないのに、画像だけでどうしてそこまで想像できるの?

ますますわけがわからなくなってしまいました。


触っているときのみなさんの表情は、明らかに集中モードです。

頭の中にある情報を高速で引き出している感じです。

ただ置いてあるときには、見向きもしなかったのに。

科学館における展示とは何か、考えさせられました。


理科ハウス 山浦 安曇

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2022年3月5日(土) (NO.1054)


アサリとシジミ、謎の生態に迫る!


先月の「ヤンバルトサカヤスデ大発生の謎に迫る!」オンラインレクチャーに引き続き、

第二回「アサリとシジミ 生態の謎に迫る!」を行いました。



なぜタイワンシジミかと言いますと、理科ハウスのすぐ近くを流れている池子川にタイワンシジミがたくさん生息しているからなのです。

こちら、外来生物です。

一方、源流は同じではありませんが、池子の森自然公園を流れる久木川にはマシジミが生息しています。

こちらは、在来種です。

マシジミは神奈川県内でも生息地は限られていて、池子の森自然公園の自然を特徴づける生物種のひとつとして注目されています。

池子川と久木川はやがて合流し田越川として逗子湾に流れ込みます。



近くにタイワンシジミとマシジミ、うーん嫌な予感しかない・・・。

まずはタイワンシジミの生態を把握しようと、

2020年3月から毎月1回、1年間、タイワンシジミを採取して数をカウントし大きさを計測する調査を行いました。


(報告は「南紀生物」第63巻第2号に掲載)


本日のオンラインレクチャーでは、その調査結果報告と合わせて、また昨今問題になっているアサリ偽装の話についても取り上げました。


シジミもアサリも、食材としてなじみのある生物。

ところが、その増え方についてはほとんどの人が知らないのではないでしょうか。

シジミのなかまの中でも、雌雄同体だったり、雌雄異体だったり。

ましてや「雌雄同体雄性発生」って、カオス。

シジミのオセロとか、ハイブリッドアサリとか、(このあたりは聴いた人にしかわからなくて失礼!))

貝の世界は、ぶっとんでますなあ。


フリートークタイムでは、広島大学で海洋生命を研究しているKさんが登場!

「広島にもいますよ~」と広島のタイワンシジミの画像を見せてくれました。

また、「東京の野川で見たことがあるよー」というTさん、

「タニシぐらいしか見たことがないよー」という淡路島のSさん。

今回も各地からの報告で、画面が賑やかになりました。

みなさま、ご参加ありがとうございました。

葉山しおさい博物館の倉持卓司さん、今回もすべての質問に手際よく応じてくださり感謝です!


タイワンシジミとマシジミは、理科ハウスで展示していますので、興味のある方は見にきてください。

(ヤンバルトサカヤスデも生態展示しています!)


理科ハウス 山浦 安曇

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2022年3月3日(木) (NO.1053)


おもしろ科学史エピソード


寒い寒いと思っていたのに、もう3月です。

我が家の庭の梅は満開になっています。


トップぺージに連載中の「おもしろ科学史エピソード」を書き始めて半年が過ぎました。

日曜日に更新しています。

よくここまで続いているなあと思いますが、実はそれにはわけがあります。

なんと、毎週感想をメールで送ってくださる方がおられるのです。

そして、その感想の感想を送ったりして、やりとりを楽しんでいます。

私にはこれがすごく励みになっているのです。

ありがたいです。

書きたい科学者がまだいるのでもう少し続けるつもりです。

読んでくださるだけでもうれしいです。

どうぞ、お付き合いください。


27回 ラボアジェ 『化学命名法』

26回 平賀源内 『放屁論後編』

25回 デカルト 『方法序説』

24回 岡潔   『私の歩んだ道』

23回 寺田寅彦 『花物語』

22回 南方熊楠 『十二支考 虎』

21回 小柴昌俊 『やれば、できる。』

20回 杉田玄白 『蘭学事始

19回 本多静六 『本多静六自伝 体験八十五年』

18回 ガリレイ 『星界の報告』

17回 ケプラー 『新天文学』

16回 牧野富太郎 『イチョウの精虫』

15回 石原純 『チューリッヒに於けるアインシュタイン教授』

14回 フランクリン 『フランクリン自伝』

13回 ホーキング 『宇宙を知るためのガイド』

12回 湯川秀樹 『アインシュタイン先生の想い出』

11回 アインシュタイン 『相対性理論』

10回 キュリー夫人 『ピエル・キュリー傳』

9回 小平邦彦 『プリンストンだより』

8回 ファラデー 『力と物質』

7回 シュレーディンガー 『生命とは何か』

6回 中谷宇吉郎 『寺田先生の追憶』

5回 朝永振一郎 『科学者の自由な楽園』

4回 ファーブル 『ファーブル昆虫記』

3回 ダーウィン 『ダーウィン先生地球航海記』

2回 益川敏英 『素粒子はおもしろい』

1回 クリック 『熱き探求の日々』


理科ハウス 森 裕美子

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2022年2月21日(月) (NO.1052)


エントランス展示「鳥の羽展」


エントランスの展示を新しくしました。

テーマは、鳥の羽です。



人からいただいたもの、自分たちで拾ったもの、ずっと箱の中にしまってあったのです。

立体感が出るように粘土にさしてみたら、あらま、いい感じ。



ドアを開けて風がはいると、起き上がりこぼしのようにゆらゆら揺れて、勝手に動く展示になっています。


今日は、私の友人が旅の途中や家の周りで拾った鳥の羽を持ってきてくれました。

図鑑で調べて、早速展示に仲間入り。

こうやって、どんどん展示が増えていくといいなあ。

みなさんも、鳥の羽を拾ったら、理科ハウスにお持ちください。

鳥の羽を拾った後は、手を洗うことを忘れずに。

(理科ハウスの展示は洗浄済みです)


理科ハウス 山浦 安曇

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2022年2月12日(土) (NO.1051)


ヤンバルトサカヤスデ大発生の謎に迫りました!


休館対策としてとりあえずやってみたオンラインイベント。

テーマは、ヤスデ。

人を集めるには厳しい生物・・・と思っていたのですが、

ヤスデってこんなに人気あったんだ、というくらいお問い合わせをいただきました!


このイベントは、コロナで従来のような活動できない博物館・科学館がつながって何か有意義なことができないかとの思いから企画したものです。

博物館では、休館中であっても研究活動は続いています。

そこで、葉山しおさい博物館の潮騒だより(No.31)に掲載されたばかりの「三浦半島における外来生物ヤンバルトサカヤスデの侵入と分布」をテーマにとりあげることにしました。

なぜなら、この調査に理科ハウスの山浦もちょこっとお手伝いさせていただいたからです。


発表者は、葉山しおさい博物館の倉持卓司さん。



みっちり30分間、ヤスデづくし。

フリートークの時間には、沖縄慶良間諸島のビジターセンターにいらっしゃる村石さんが登場! 現地のヤスデの様子を伝えていただきました。

リモートだからこその、サプライズです。

さらに、横須賀市自然・人文博物館の学芸員さんや日本自然保護協会の方もトークに参戦、いやはやすごいメンバーだなと興奮してしまいました。

内容はかなり専門的だったのに、チャットにはどんどん意見や質問が投げ込まれ、時間が足りなくなるほど。

特に中学生や高校生が積極的に加わってくれたのが良かったですね。

こういう自由でフラットな科学対話の場が創出できないかと以前から思っていたのですが、今回それがさくっと実現できてしまったのです。

また、介護などでなかなか外に出られない方からは、こういうの次も参加したいと言ってくださいました。


なかなか好評だったので、調子にのって第二弾を考えています。

次回もぜひご参加ください。


理科ハウス 山浦 安曇

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2022年2月5日(土) (NO.1050)


やむをえず臨時休館


感染対策をしっかりして、予約制にして、人数も絞って、これ以上やることはないぐらいにして細々と開館していました。

しかし、このところの感染急拡大に伴い、

近隣の学校でも学級閉鎖があったり、

予約していた方の中に、濃厚接触が出たり、

じわじわと迫っている感じがしています。

理科ハウスが、感染の交差点になることだけは避けたいです。


ということで、2/5~2/7は臨時休館することにしました。

突然のスケジュール変更で申し訳ございません。


そのかわりと言うわけではありませんが、オンラインイベントを行うことにしました。

2022年2月12日(土)14時~

●オンラインイベント「ヤンバルトサカヤスデ大発生の謎に迫る!」


zoomによる無料オンライン開催です。

お話する人は、葉山しおさい博物館の倉持卓司さんです。


ヤンバルトサカヤスデ?? は? 聞いたことないよ。

と言う方がほとんどだと思いますが、

実は、このところ三浦半島で大発生しているんです。

もちろん外来生物です。

大発生の知らせを聞き、葉山しおさい博物館の倉持さんが現状を調べました。

理科ハウスもお手伝いしました。

今回のイベントは、その研究発表です。


みなさんにこの聞き慣れない生き物の生態を知っていただき、

外来生物についての認識を深めることができればと思っています。

ご関心のある方はお申し込みください。

オンラインでお会いしましょう。


あともうひとつ、ご案内です。

理科ハウス公式のインスタグラムがスタートしました。

日記には書くほどではないけど、気になる理科ハウス周りの情報を発信しています。

ぜひ、ご登録ください。


理科ハウス公式instagram


理科ハウス 山浦 安曇

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2022年1月24日(月) (NO.1049)


ありえない卵立て


ものすごいことが起ったので報告です。

なんと本日来館した高校生が、秒で卵を立てました!


卵を片手で持ち、そっとテーブルの上に置く。

そのまま手をはなす。

卵が、立ってる!



こんなことってあるんでしょうか。

あるんですね。眼の前で見たんですから。

度肝を抜かれました!


理科ハウスで「チャレンジもの」をやっていて驚かされるのは、必ずすごい技が出てくること。

卵立てでは、いかに早く立てられるか立つまでの時間を競っているのですが、はじめに出した私の記録はすぐに破られ、どんどん抜かされていきます。

記録があると、たいていそれに追いつきたい追い抜きたいという欲求が生まれますので、記録を残しておくことは大切ですね。


こんなすごい技を見せられると、もっとありえないことができるんではないか。

そんな風に思ってしまいます。

今日は、中学生が卵の上に卵を立てられるか、というのに挑戦していましたけど、

さすがにそれは無理でしょ。

いや、決めつけてはいけませんよね。

さっきの「秒置き」だって、ありえたんだから。

理科ハウス 山浦 安曇

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2022年1月17日(月) (NO.1048)


立春の卵


「立春の日に卵が立つ」という話を聞いたことがありますか。

先に言っておきますが、立春の日に卵が立つというのは迷信です。もちろん。

しかし、この話は70数年前まで、まことしやかに信じられていました。

もともとは、中国の古い書に記載されていた話で、新しい年を迎える際、幸運を祈願して行っていた地域もあるようです。


それを確かめようと、上海やニューヨークで実際に実験を行ったところ、本当に春分の日に立ったという結果になり、この話は真実だったということになってしまいました。

そんなはずはないと実験を行い、卵がいつでも立つ理由を科学的に考察して示したのが、雪の結晶の研究で有名な中谷宇吉郎です。

その経緯は、随筆「立春の卵」にまとめられています。(青空文庫で読むことができます)


というわけでやってみました、卵立て。

科学的には立つとわかっていても、やってみると「無理・・・」という気持ちが沸き起こってきます。

テーブルが斜めってるのではないか、卵がとんがりすぎているのではないか、などと「できない理由」ばかり思いつきます。

重心の位置が探せていないだけなのに、他に原因を求めようとする自分がいます。

そして、30分格闘の後、とうとう卵は立ちました!

これ以上の達成感はあるでしょうか。


今日は、この実験をIさん親子にやってもらいました。

すると、25分で立卵に成功!

驚くのはまだ早い、なんと細い方を下にした立卵にも成功!



もう、見た目がすごすぎます。

逆立卵は、さすがに中谷先生もおやりにならなかったのではないでしょうか。


中谷先生は、こう言っています。

「世界中の人間が、間違って卵は立たないもとの思っていただけのことである。世界中の人間が何百年という長い間、すぐ眼の前にある現象を見逃していたということが分かったのは、それこそ大発見である」

立春の卵と同じようなことが、身の回りにはまだまだたくさんあるんでしょうね。


理科ハウス 山浦 安曇

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2022年1月14日(金) (NO.1047)


抽象ヒルベルト空間!?


うれしかったことのお知らせです。

1月9日の日経新聞朝刊に連載されている「うたごころは科学する」で、

坂井修一さんが石原純の歌について書いて下さいました。



私は日経新聞を読んでいなかったのですが、

お友達からお手紙をいただいたり、メールをいただいたりしました。

こうやって教えていただくのは本当にありがたいです。

坂井修一さんは科学と歌の二刀流で活躍されている方です。

科学の言葉が身近にあるので抵抗なく受け入れていただけたのだと思います。

それにしても「抽象ヒルベルト空間」を歌に使っちゃうなんてすごすぎると思いませんか? 

理科ハウス 森 裕美子

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2022年1月8日(土) (NO.1046)


明けましておめでとうございます


8日から開館するぞ! と張り切っていたのですが、

8日から10日まで臨時休館することにしました。

原因は森が風邪をひいてしまったからです。

かかりつけ医に行くのも簡単ではないようです。

そりゃそうですよね。

ひょっとすると新型コロナウイルスにかかっているかもしれないからです。

以前なら

「風邪ひいちゃってね」なんて言いながら開館してたと思うのです。

今はそれはできません。


まあ、普通の風邪でも休むことは、人にうつさないから大事なことですね。

というわけで急に休館になっていて驚かせてしまってすみませんでした。

予約してくださっていた方にも本当に申し訳なかったです。

15日からは開館できると思いますのでよろしくお願いします。

理科ハウス 森 裕美子

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2022年1月1日(土) (NO.1045)


明けましておめでとうございます



理科ハウス 森裕美子・山浦安曇

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