理科ハウスで起こるさまざまなできごと。
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2021年12月26日(水) (NO.1044) ろうそくの科学 「火とは何なのでしょうか。インターネットで調べても、難しい言葉が出てきてよくわかりません」 「みんなのぎもん」に寄せられた高校生の質問です。 ろうそくの科学の内容とぴったり重なります。 今年は、この高校生のために「ろうそくの科学」の実験をやりたい、見てもらいたいと思い準備しました。 感染者が少なくなったとはいえ、まだマスクははずせません。 たくさんの市民の前で行ったファラデーの実験ショーとはだいぶ趣が異なりますが、 コロナ禍だからこそ、少人数で炎を見ながらやるのもありかな、と思いました。 炎のところでは、どんな現象が起っているのか。 そして、実体があるのか。 燃焼という現象ひとつとっても、「なぜ?」と問いかけることで次から次へと謎が深まっていきます。 ファラデーの「ろうそくが燃える現象には、この宇宙を支配する法則がすべて関わっています」という言葉とつながっていきます。 最後に、参加してくださったTさんが、「灯り」について語ってくださいました。 昔、浦賀では、鰯の油で灯りをともしていたこと。 江戸時代に、東京湾を行き来する船舶の安全のため、浦賀に燈明台が設置され、その灯りには鰯の油が使われていたこと。 1872年に廃止されるまで200年間一日も休むことなく灯りをともし続けていたこと。 クリスマスに、灯りについて語り合う、なんて素敵なひとときなんでしょう。 「みなさんもろうそくのように、周りを明るく照らす存在になってください」 今年も、ファラデーの言葉で1年を締めくくることができました! 理科ハウス 山浦 安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年12月22日(水) (NO.1043) 冬至ライン 今日は、冬至です。 影の観察の日です! 2021年9月23日の秋分の日にも影の観察を行いました(日記No.1028)。 今回も秋分の日とまったく同じように、地面に棒を立て、その先端の影がどのように移動していくのか記録しました。 全体を見てみると、こんな感じ。 ①冬は太陽高度が低いので、影も長くなっています。 ②冬は太陽は真東よりも南寄りに出て、真西よりも南寄りに沈むので、影は北寄りにシフトしています。 ③曲線を描いています(14時の先端は、奥の入り口のあたり)。 この3つの要素がいかにも「冬」って感じですね! さあ、次は春分の日です。 秋分ラインとぴったり重なるかなあ。 わかっていても、どきどきします。 春分の日なんて、ずっと先のことと思っているとあっという間なんですよね。 そのころには、コロナもすっかり収まっているといいなあ。 理科ハウス 山浦 安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年12月20日(月) (NO.1042) 「歓迎! 観音崎自然博物館様」 今日は、観音崎自然博物館のスタッフのみなさんが理科ハウスに見学にいらっしゃいました。 見学会はこれがはじめてではありません。 以前にも、ボランティア研修としてここ理科ハウスを使っていただいたことがあります。 三浦半島で、民間で経営している博物館・科学館は、ウチと観音崎自然博物館ぐらい。 (ほかにもあったら教えてください) だから、抱えている悩みどころも同じ! コロナ禍、どうしてた? 最近の企画は?など、情報交換で盛り上がります。 観音崎自然博物館のすごいところは、なんといってもボランティアさんがたくさんいること。 観音崎博が三浦半島の人達に愛されている証拠です。 そして、その発信力。 コロナ禍の中も、動画配信をこまめに行い、熱いファン層獲得に力を入れています。 理科ハウスも見習わなくては! 来年は、観音崎自然博物館とオンラインでつなげたイベントツアーをしたいなーと考えています。 考えるだけでも、ワクワクします! まだ行ったことがない方は、ぜひ一度足を運んでみてください。 理科ハウス 山浦 安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年12月17日(金) (NO.1041) ソロプチミスト日本財団 クラブ賞受賞! 今日は公益財団法人ソロプチミスト日本財団から安藤さんと土井さんが理科ハウスに来てくださいました。 ソロプチミストは国際親善と理解活動、友情を通じて女性の地位向上、人権や平和を守るための活動をされています。 お二人が来てくださったのは、なんと理科ハウスに「クラブ賞」をくださるためでした。 女性の活躍を応援したいとの思いで理科ハウスを選んでくださったのです。 たくさんの寄付をいただきました! 女性が頑張っている! という目で見ていただいたのは初めてでした。 うれしいです! たくさんの女性から声援をいただいたような気持ちです。 これからも健康に気をつけて頑張っていけたらいいなと思います。 国際ソロプチミスト逗子・葉山のみなさん、ありがとうございました。 理科ハウス 森 裕美子 -------------------------------------------------------------------------- 2021年12月9日(木) (NO.1040) 真珠の光沢のひみつ 今日は、電子顕微鏡を使うために、県立横須賀高校におじゃましました。 年に一度、電子顕微鏡を自分で操作できる大変貴重な機会です。 今回の資料は、真珠と放散虫です。 この真珠は、「ほんものとにせもの展」に使用したホンモノ。 三浦で真珠の養殖をしている友人が、「本物かどうかを見分けるには真珠同士をこすりあわせるといいよ。本物は表面がでこぼこしているのでザラザラ感がある」 と言っていたのです。 眼で見ても、実体顕微鏡で見ても、でこぼこの様子はわかりません。 電子顕微鏡にセットしてみると、 おお!ほんとうにでこぼこしてる! うすい膜がいく層にも重なっているように見えます。 これが「ザラザラ」の原因なのですね。 実はこれが真珠の光沢のひみつなのです。 光がうすい膜に当たると、膜の表面で反射する光とその下で反射する光がたがいに強め合ったり弱め合ったりして、見る角度によって特定の色が強くなるのです。 さらに拡大してみると 炭酸カルシウムの結晶が見えます! 電子顕微鏡は、私たちの感覚ではわからないスケールの世界を見せてくれます。 見えないものが見えてきたときの驚きと興奮は、言葉に表すことができません。 もっと拡大してみたい、もっともっとと欲張りになっていく自分がいます。 横須賀高校の大島先生、今回も大変貴重な機会を与えてくださってありがとうございます。 理科ハウス 山浦 安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年12月5日(日) (NO.1039) コオロギの神経伝達の実験 今日は、大学研究生Oさんが昆虫の脚を使った神経伝達の実験をしてくれました。 コオロギ(は虫類用の餌)の脚に電極を刺し、そこへ音の電気信号を流すとそれに反応して、脚が動くという実験です。 大事なのは、神経が反応する周波数が含まれる音楽を使うこと。 はじめは、重低音のダンスミュージックを流していましたが、いまひとつ。 次に試したのは、ビートの聞いたエレクトロポップ調。リズムが早くてついていけない。 低い周波数の音がいいとわかり、太鼓の曲。でも意外と高い。 こうなったら和太鼓だ! 脚の感覚毛に触れると波形が現れた。 使用した機材は、Backyard Brain社 Spiker Box その衝撃映像が観たい人は、ぜひ理科ハウスへ。 Oさんは、カイコの嗅覚の神経伝達を研究しています。 こういった神経系のしくみを詳しく研究し、未来のための新しいセンサー装置ができないかと模索しているとのこと。 新しい分野に挑戦するOさんのまっすぐな姿勢を、まぶしく感じました。 理科ハウス 山浦 安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年12月5日(日) (NO.1038) サイエンスコミュニケーションの新しい形 「ゲーム実況」というのを体験したことがありますか。 ゲーム実況とは、ゲームのプレイ画面に解説やリアクションが追加されている動画のこと。 ネットにはありとあらゆるゲームの実況がアップされていて、中にはゲーム本体と同じくらい人気があるものもあります。 その「ゲーム実況」を実際に制作している大学生Sさんが理科ハウスに来てくれました。 タイトルは 「知らないせかいを探検する○○さんぽ電波局」です。 モンスターハンターライズの世界を専門家が軽いトークで解説してくれちゃう、という内容です。 早速、中学生や高校生に観てもらいました。 いやー、反応早いのなんのって。 「どう?」って声をかけても、振り向いてもくれない。 それぐらいのめりこんじゃっています。 聞けば、こーゆーのいつもやってるんだそうで。 逆に私たちにとっては「こんな方法があったのか!」ととても新鮮。 Sさんは、サイエンスコミュニケーションツールの新しい形として、「ゲーム実況」を制作しているとのこと。 ネットを開けば、○○実況、○○さんぽ、といった動画がたくさん出てきます。 すでにひとつの形として定着しているのかもしれませんね。 新しいやり方、私たちも応援しています! 理科ハウス 山浦 安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年11月21日(日) (NO.1037) ライブ配信!おうちで博物館ツアー 今日はオンラインイベント「おうちで博物館ツアー」に出演しました。 主催してくださったのは大阪府八尾市にある八尾市しおんじやま古墳学習館です。 この博物館ツアーは今回で6回目です。 関東の博物館3ヶ所を取り上げてくださいました。 埼玉県にあるさいたま市大宮盆栽美術館、 東京都目黒区にある目黒寄生虫館、 そして理科ハウス!です。 しおんじ山古墳学習館も含めてみんな「小規模ミュージアムネットワーク」でつながっています。 オンラインの内容はいつでも見られるので興味があったら覗いてみてください。 アンケートに答えたら豪華プレゼントが当たるかも!アンケートの締め切りは12月3日です! 今回、司会をしてくださっている福田さんは、理科ハウスにも来てくれているし、私も八尾市の古墳学習館に行きました。 特に古墳が好きというわけではなかったですが、その後にはなんか古墳が気になります。 こんなふうに興味を広げてくれる博物館は本当に素敵です。 今回のイベントのおかげでまた新しい出会いが生まれるかもしれません。 福田さん、ありがとうございました! 理科ハウス 森 裕美子 -------------------------------------------------------------------------- 2021年11月11日(木) (NO.1036) 室内でお気楽観望会 先日の金星食観察がとってもうまくいったので、天体望遠鏡をそのまま室内に設置しています。 これなら毎日気楽に天体観察が楽しめます。 14時半ごろふらりと立ち寄った中学生といっしょに、金星、木星、土星、月を観察しました。 思わず出た一言・・・「本物なんだよね!」 やっぱり生で観るのはいいですね。 それに、室内だから寒くなくて、とっても楽! 天体観察のハードルが一気に下がりました。 みなさんも学校帰り、お勤め帰りにぶらりとお立ち寄りください。 観察するときは、外に看板をだしておきます。 理科ハウス 山浦安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年11月8日(月) (NO.1035) 今日は金星食 金星食は、月が金星の手前を通ることで金星を隠す現象のことです。 月と金星は、約1カ月ごとに繰り返し近づいて見られますが、地上から見る月の通り道と金星の通り道がずれているため、金星食はなかなか起りません。 また、起る場合も観察できる地域が限られているので、珍しい現象といえます。(以上、国立天文台のウェブサイトから) 13:46ごろに月が金星を隠し始めます。 それからしばらくは、金星は月に隠されて見えなくなりますが、 14:37ごろに再び、出現し始めます。 私たちは、14:00ごろから天体望遠鏡をセットしてスタンバイしました。 (横着して、室内にセッティング) まずは、月です。 ところが、月が見えない! 見つからない! 位置がわかっていても、わからない。 昼間の、しかも三日月なので、見えるわけがありません。 さあ困った。金星が出てくる時間が迫っています。 眼を皿のようにして、ようやく見つけました。これ以上ないほどうっすぅーーい月です。 どうやら、薄い雲がかかっていたようです。 金星を探しましたが、まだ見えませんでした。 月が見つかったのを喜んでいたら・・・。 14:37、見えました! 金星は、月よりも輝いています。ダイヤモンドのようです。 やったあ! 欠けた金星と月(右下)。天体望遠鏡撮影なので、上下左右逆さまです。 昼間の金星、昼間の三日月、どちらも観察するには難易度が高すぎますね。 次回の昼間の金星食は2036年、夜間の金星食は2063年とのこと。 天体観察は曇っていたらアウトですから、ちゃんと見れるのは人生のうちで何回もないでしょう。 今回はしっかり見れたので大満足です。 暗くなってから、天体望遠鏡で木星と土星も見ることができました! 理科ハウス 森裕美子 山浦安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年11月2日(火) (NO.1034) 2021年学芸員実習 毎年行っている学芸員実習。 2020年~2021年は、緊急事態宣言下にありましたので、実習生を受け入れることができませんでした。 10月に入り、ようやく開館できるようになり、制限しながら実習を再開することにしました。 T大のAさんは、原子核物理を専攻する大学生。 今回はそれとは別に、「チバニアン」をテーマにした解説をしてもらいました。 Aさんは、実際に現場に足を運んで現地の方の説明を聞いたり、動画撮影をしたりして、しっかり取材もしています。 来館者を制限しながらの実習ですから、実際に解説できるチャンスはあるのかと心配していましたが、 中学生、高校生、大学生、大人、元教員と、幅広い層の人たちに聞いてもらうことができました。 Aさんは、相手に合わせて語り口を変えて、わかりやすい解説をこころがけていました。 だんだん上手になってきたところで、実習終了! もっとたくさんの方に聞いてもらいたかったです。 実は、Aさんの他にも実習希望の問い合わせをたくさんいただいていましたが、ほとんどお断りせざるをえませんでした。。 学生さんは、実習先を見つけるのに本当に苦労されていました。 まだ感染対策中なので、以前のようにはできませんが、タイミングが会えば、また実習生をお迎えしたいと思っています。 理科ハウス 山浦安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年11月1日(月) (NO.1033) ほんものとにせもの展 終了 違いのわかる人になれ!「ほんものとにせもの展」、終了しました。 2021年3月から10月いっぱいまで開催していたロングラン展です。 とはいっても、その間2カ月は休館していましたし、入場制限もしていたので、たくさんの方に体験していただけたわけではありません。 それでもやり続けたのは、体験するたびに新しい発見があったからです。 本企画展のポイントは、モノはなんでできているのか、に注目することです。 真珠はなんでできているんだろう。 ダイヤモンドはなんでできているんだろう。 アクリル板はなんでできているんだろう。 モノから素材、素材から元素へとたどっていくことで、識別する方法がみつかってきます。 光をあてる、燃やす、水に沈める・・・それはまさに科学の実験そのもの。 一方で、直感だけで選んでいく人もたくさんいました。 「なぜそちらを選んだのですか」と聞くと、みなさんからモノに対する「ごだわり」や「好み」などのエピソードがあふれ出しました。 こんなに開催期間が長くなってしまったのは、コロナで休館日が多かったからというのもありますが、 ほんものとにせもの展を通してみなさんとおしゃべりするのが楽しくてやめられなくなってしまったから、といってもいいかもしれません。 長きにわたる企画展におつきあいくださりありがとうございました。 しかし、ひとつだけ残念なことがあります。 実は、企画展会場に数カ所、「にせもの」をしこんでおいたのです。 「これはにせものだ!」とだれかが見破ってくれるものと期待していました。 しかし一向に指摘する人は現れません。 こんなにわかりやすいのにな・・・。 企画展が終わりに近づいたある日、とうとうひとりの高校生が「あれ、これおかしい!」と見つけてくれました! ありがとう!Kくん。 これで心おきなく企画展を終わらせることができるよ。 「この中にひとつだけ間違いがあります」と言われれば、人はその中だけで違いを探そうとします。 しかし、そのような提示や問いかけがなかったら? とたんに間違いを見つけるのが難しくなります。 たとえそれがひどい偽物であっても。 言われないと分からない、のです。 もしかしたら、私たちはすでにたくさんの偽物に囲まれているのかもしれません。 違いが分かる人になるには、まだまだってことですかね。 理科ハウス 山浦安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年10月24日(日) (NO.1032) 人をうならせる質問 「紙を折るということはどういうことなのでしょうか?」 こんな質問を投げかけてくる高校生がいます。 彼女は理科ハウスに来るたびに、みんなの疑問コーナーにひとことでは答えられない難問を残していきます。 なぜこのようなことが不思議だと思ったのか、そっちの方が知りたくなってしまいます。 当たり前のことほど、疑いもせず流してしまいがちなのに、 「まっ、いいか」ではなくて、ちゃんと問いを投げかけることができるなんて、 彼女は、本当の科学者の素質を持っていると思いました。 おふだに書かれた数々の彼女の質問は、「みんなの疑問」のコーナーに掲示されているのですが、 来館する高校生や大学生は、「こんな質問、どうやったらできるんだろう」と注目の的になっています。 今日は、来館した大学生と高校生が、彼女の質問に答えてくれました。 答えはみつからなくても、それぞれが自分の考えを述べ合います。 「紙は折れるのが当たり前だけど、逆に、折れない紙ってあるのかな」。 「そういえば選挙の投票用紙の紙って、箱の中で折り目が開くようになっているんじゃなかったっけ」 「検索してみよう!」 「あった。『ユポ紙』って言うらしい」 「材料はポリプロピレンだから、セルロースとは違うね」 こんなふうに、科学対話はどこまでも続いていきます。 対面でのやりとりは、ネット検索では出てこないようなところまで、私たちを連れて行ってくれます。 人とのやりとりの場面が、少しずつでもいいから以前のように戻ることを願っています。 理科ハウス 山浦安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年10月16日(土) (NO.1031) スーパーサイエンススクール活動スタート! 緊急事態宣言下の中、延期中止延期中止が続いていた県立横須賀高校スーパーサイエンススクール活動がようやく動き出しました。 テーマは「三浦半島のユビナガコウモリの謎に迫る!」です。 今日ははじめてのフィールドワーク。 理科ハウスに集合し、日が暮れるのを待って、コウモリの生息地に向かいます。 なのに、雨! 小雨どころか、けっこう降ってるよ! これほど天気を恨んだことはありません。 半ばあきらめかけていたとき、空に向けたバッドディテクターにユビナガコウモリの発信音が入りました! こんな雨がふっていても気温が下がっていても、コウモリは活動するんですね。 かえって新事実を確認できて、良かった。 いよいよユビナガコウモリの食性調査が始まります。 糞を分析し、微小昆虫の標本とマッチングさせる気の遠くなるような作業です。 まだわかっていないことを調べるチャレンジングな試みです。 コウモリの糞分析に取り組む高校生 理科ハウス 山浦安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年10月13日(水) (NO.1030) 2021年ノーベル賞発表! 毎年恒例になっているノーベル賞をわかりやすく伝える展示を今年もつくりました。 医学生理学賞、物理学賞、化学賞の3部門別に、クイズと実験を用意しました。 どれも難しいわけではありません。 内容を理解するために「これだけは知っておきたい」ことをご紹介しています。 分子模型をつくったり、匂いを嗅いだり、楽しいですよ。 きっと、ノーベル賞を身近に感じていただけるのではないかと思います。 10月も引き続き予約制です。 ご利用時のルール遵守に、ご協力ください。 3密を避けるため、大人の方だけのご利用の場合は、なるべく月曜日にお願いします。 (親子でのご利用をのぞく) 理科ハウス 山浦安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年10月5日(木) (NO.1029) 活動再開に向けて 本当に、本当に長かったです。 2020年1月から、入館制限と休館を繰り返し、先の見えないトンネルを歩き続けてきました。 ようやく出口が見え始め、少しずつ活動再開に向けて準備をしはじめています。 とは言っても、すぐに前と同じように開館することはできません。 今しばらくは、予約制と入場制限で開館したいと思います。 引き続き、不織布マスクの着用、入館時の検温と手洗いをお願いいたします。 2021年の企画展「ほんものとにせもの展」は、3月から開催していたのですが、残念ながら多くの方に見てもらうことはできませんでした。 ところが、予想外に「すごく楽しかったい!」と言ってくださる方が多く、このままで終わらせるのはもったいない!と思っています。 そこで、10月末まで延長することにしました。 ご自分の「目利き度」を試してみたいかたは、ぜひチャレンジしにきてください。 理科ハウス 山浦安曇 -------------------------------------------------------------------------- 秋分の日の影 今日は、秋分の日。 そして、朝から晴天! 秋分の日が晴れたら、やってみたかったこと。 それは、影の観察です。 地面に棒を立て、その先端の影がどのように移動するかを観察します。 影の方向は、季節によっても一日のうちでも、時間の経過によって変化します。 棒の影は、太陽の日周運動を教えてくれるのです。 さて、影を観察するのになぜ秋分の日なのか。 それは、秋分の日には太陽が真東から出て真西に沈む日だからです。 そんな日には、影の先端はどのようなラインを描くでしょうか。 1時間おきに印をつけてみました。 なんと、一直線です! 知識では知っていたけど、実際に確かめることができて感激です。 秋分の日と春分の日以外の太陽は、真東と真西からずれて出てきますので、影の先端は曲線を描きます。 だから、影の先端がまっすぐになるのは一年で2回だけしかないことになります。 実はこの観察、毎年やろうと準備しているのですが、決まって(春分の日も!)曇天か雨で影を見ることができなかったのです。 簡単なことだけど、実際にやろうとするとけっこう難しい。 今年は、秋分の日をぞんぶんに堪能することができました。 理科ハウス 山浦安曇 --------------------------------------------------------------------------
2021年9月15日(金) (NO.1027) 『理科教室』10月号に寄稿 まだ10月じゃないけど、『理科教室』の10月号が届きました! 科学教育研究協議会が編集している月刊の雑誌です。 この中に、「行ってみよう科学探検」という博物館を紹介するページがあります。 今回は理科ハウス、というわけで記事を寄稿させていただきました。 COCOARというアプリを使って動画も見ることができます。 理科ハウスが開館したら、ぜひお手にとってみてください。 あ、でも理科ハウスにいるのに動画を見る必要はないか(笑) 理科ハウス 森裕美子 -------------------------------------------------------------------------- 2021年9月10日(金) (NO.1026) シジミチョウパラダイス 長雨がようやく落ち着いて、しばらくぶりに池子の森自然公園に行ってきました。 通常2週間ごとにモニタリング調査を行っているのですが、8月は1回しか行けなかったので、ちょっとわくわくです。 生きものたちも、やっと雨があがったか~といわんばかりに一斉に飛び出してきました。 特にチョウ類は年間を通して、最も多くの種類を観察することができました。 なかでも、注目したいのがセセリチョウのなかま。 いつもはこの時期大量に発生するイチモンジセセリばかりが目につくのですが、 チャバネセセリ コチャバネセセリ キマダラセセリ ダイミョウセセリ と、5種類ものセセリチョウを一度に観察することができました。 いなくなっちゃたかと思われたイチモンジチョウに出会えたり、 ここ数年少なかったヒカゲチョウが、ばっさばさ飛んでいたり、 池子の森はとってもにぎやかです。 チョウの場合一部をのぞいて、発生する場所がほぼ決まっています。 セセリチョウの谷戸、ヒカゲチョウ通り、モンキチョウの丘、などと勝手に呼んだりして楽しんでいます。 これらのチョウは低いところを飛んでいるので、だれでも観察することができますよ。 ほんのわずかな違いを見つけて種を見分けることができるようになると、生きものに近づいた感じがします。 理科ハウス入り口の「池子の森自然情報」では、最新の様子を更新して紹介しています。 外からでも見ることができるので、ご自由にのぞいてください。 2年ぶりに見た! ダイミョウセセリ 理科ハウス 山浦安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年8月28日(日) (NO.1025) 夏は、やっぱり自由研究 とうとう夏休みが終わってしまいました。 7月中は人数制限をしながら開館していたのですが、8月3日に緊急事態宣言がでてからは、ほとんど開けることはありませんでした。 8月に中学校の科学部で貸し切り予約が2件入っていたのですが、もちろん中止。 しかたありませんね。 それでも、自由研究のことで相談したいんだけど~という連絡があったときには、個別に対応しました。 接触を避けるため、来館するときは本人ひとりまたはつきそいの家族のみ。 まるで、一日一家族限定の”隠れ家レストラン”みたいですね! DNAの抽出実験、 葉脈標本、 コウモリの研究、 電解質水溶液の実験など。 参考書を借りにくる人もいましたよ。 みなさん、聞きたいこと,調べたいことをきちんと整理してくるので、 とっても対応しやすかったです。 ある中学生は、「これまでで一番おもしろい自由研究になったよ!」と大喜び。 お役にたてて、私たちも嬉しい! というわけで、自由研究のおかげでちょっぴり夏休み気分を味わうことができたのでした。 『Dr.Stone』の中身を検証する!という自由研究。館長がリモートで対応。 理科ハウス 山浦安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年8月21日(日) (NO.1024) <新連載>おもしろ科学史エピソード 昨年の5月から始めた新しい展示、生解説動画の勢いが止まりません。 最初の動機は、感染をふせぐために触らないでできる展示を作りたいということでした。 それまでデジタル画像はほとんど使わずにやってきた理科ハウス。 このしばりを解いて、パソコンを使って解説する方法を始めました。 一作目は「三浦半島はどうやってできたのか」 二作目は「原子のなかみ」 そして三作目が「セントラルドグマ 序 破 急」の三部作です。 解説のストーリーを考えるのはなかなかたいへんです。 まず、たくさんの本を読むところから始めます。 えっ、そこからですか?と言われそうですが、そうなんです。 読んでいるとおもしろいエピソードが書いてあったりします。 これを紹介したくて新しいコーナーを作りました。 以前、おもろい本として紹介していましたが、 それの続きのようなもんです。 また、読んでいただけたらうれしいです。よろしくお願いします。 理科ハウス 森裕美子 -------------------------------------------------------------------------- 2021年8月15日(日) (NO.1023) 残念なお知らせとうれしかったこと 今日は終戦記念日です。夏休みも残り少なくなってきました。 感染拡大のために今日まで臨時休館にしていましたが、もう少し延長することにしました(予約済みの方のみ来館できます)。 ワクチンを打った人も徐々に増えているのが感じられますが、まだ安心して出かけられない状態が続いています。 理科ハウスでは知らない人同士が会わないように気をつけています。 先日、「ワクチンに使われているRNAについて知りたい」と言って来館された方がいました。 生解説動画「セントラルドグマ・序」は、DNAやRNAのことを説明しているので、見てもらったら「とてもわかりやすかった」と言ってくださいました。 科学館をこんなふうに使っていただけるのは本当にうれしいことです。 科学館は大人の学びの場でもあることをたくさんの方に知ってもらいたいです。 理科ハウス 森裕美子 -------------------------------------------------------------------------- 2021年8月2日(月) (NO.1022) 緊急事態宣言発出! 緊急事態宣言が出されました。 夏休みで開館しておきたいところですが、熟慮の結果、15日までの予約の受付を停止することにしました。 当日の予約もできなくなりますのでご注意ください。 すでに予約をしてくださっている方についてはご利用いただけます。 また、16日以後について開館するかどうかの判断は、感染者数の推移をみながら再度検討したいと考えています。 16日以降でご利用を希望される方は予約を受け付けますが、ご利用できない場合があることをご了解ください。 また、スケジュールの変更がある場合もありますので、予約の前には必ずご確認ください。 かつての夏休みの賑やかさのことを思うと、ちと寂しくもあります。 どうぞよろしくお願いいたします。 理科ハウス 森裕美子 -------------------------------------------------------------------------- 2021年7月26日(月) (NO.1021) 静かで豊かな夏休み 感染者数が増えてきました。 これまでの緊急事態宣言下の時と違って、街中では緊張感が薄れてきているようです。 夏休みなので、たくさんの方に利用していただきたいのはやまやまなのですが、より一層気持ちを引き締めて対策をしていきたいと考えています。 コロナ感染が始まってからは事前予約制で入館を受付し、 一度に集中しないように、時間をずらして来館してもらうなどの工夫をしています。 おかげでいつでもすいた状態で涼しく過ごすことができています。 ですが、これまでのように「気軽にぶらりと立ち寄って」というわけにはいかなくなってしまいました。 かつての夏休みの賑やかさのことを思うと、ちと寂しくもあります。 一方で思いもよらぬ「効用」もありました! それは、科学対話の場面が増え、中身が深くなってきたことです。 人が少ないから、来館者が他人の目を気にすることがなくなりました。 すると、次第に遠慮の壁がなくなり、気づいたことを発言することが多くなりました。 私どもにも余裕があるため、ひとりひとりに気づきや発言に耳を傾けることができるようになりました。 みなさんの疑問にヒントを得て、それを展示にしたりすることもあります。 科学館として、とても良い循環が生まれていると感じています。 一日に20人以上の来館者があったかつての夏休みでは考えられなかったことです。 自由研究のネタを探したいと来館する中学生も増えてきました。 理科ハウスの図書室には、自由研究関連の本が100冊以上あります。 貸し出しOKで、もちろん相談にのることもできますよ。 来館予約お待ちしています。 理科ハウス 山浦安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年7月16日(金) (NO.1020) アインシュタイン展@大阪 ワクチン接種をすませ、2日ほど大阪に行ってきました。 大阪市立科学館で行われている「もっと知りたい!アインシュタイン」の展示を見るためです。 新型コロナの感染が増加しているのであわてて行きました。 この展示は4階のフロアにありました。 アインシュタインが来日したときに関係していた桑木彧雄、石原純、荒木俊馬の3人を中心に当時の様子が写真や本で紹介されていました。 また、当時の大阪の町の地図なども紹介されており、大阪の方には興味深い内容になっています。 夏休み前で落ち着いた空間の中で見ることができました。 ブラックホールのトリックアートの前で写真を撮ることもできます! 8月22日までやっているのでお近くの方はぜひ見に行ってみてください。 理科ハウス 森裕美子 -------------------------------------------------------------------------- 2021年7月11日(日) (NO.1019) もっと!ほんものとにせもの展 「ほんものとにせもの展」、未だ全問正解の人は現れません・・・。 みなさんが取り組んでいる姿を見ていると、科学的知識よりも心理的なものの方を優先して選んでいるケースがけっこうあることに気づきました。 同じ番号が続くとなんか怪しい、とか、こんな高価なものがここにあるはずがない、とか。 人間って、つい深読みしちゃうんですよね~。 そんな斜めってる自分に気づかされるのも、この企画展のおもしろいところです。 さて、そんなさなか、展示のネタをさらに増やし、パート2を用意しました。 宝石から食べものまで、ありとあらゆるジャンルの「ほんものとにせもの」を取り上げています。 かなりの難問ですが、すべて身近なものですのでぜひ挑戦してください。 お題は全部で30ぐらいあります。 でも、一度にできるのはせいぜい10問ぐらいまででしょうか。 とにかく疲れるんです。みなさん真剣に取り組まれるので。 夏休みの中学・高校の科学部での利用も始まっています。 みんなと知恵を出し合い議論しながら、ほんものはどれか探し当てていくのはとても楽しいですよ。 部活利用のときは貸し切りになりますので、お早めにご予約ください。 理科ハウス 山浦安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年7月6日(火) (NO.1018) 崩落斜面に注意 このところの大雨で、あちこちの斜面が崩れています。 横横道路インター付近の斜面の崩落は、ニュースで大きく取り上げられました。 車内に閉じ込められた方が無事救出されて、本当に良かったです。 「同じ逗子市の理科ハウスはだいじょうぶですか」と、遠方の方からも連絡がありました。 ご心配いただき、ありがとうございます。 理科ハウスは大丈夫なのですが、 池子の森自然公園内では、数カ所にわたり崩落がありました。 週末に公園に行かれる方は、「立ち入り禁止」の札がある谷戸には、入らないようにしてください。 また、崖崩れがないところでも、あちこちで倒木しているところがありますので、足下には十分ご注意ください。 谷戸はとても湿気が高く、地面から1メートルあたりのところに「雲」ができていました。 理科ハウス 山浦安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年7月1日(木) (NO.1017) 1年7カ月経ちました 報告いたします。 ミョウバンの結晶が15㎝になりました! 小さな種結晶からスタートしたのが、2019年12月。 それから1年と7カ月がたち、ここまで成長しました。 2019年12月といえば、新型コロナウイルス感染症がニュースになり始めたころ。 その後、2020年2月に全国の小中高学校が臨時休校となり、4月には緊急事態宣言が出されました。 1年で収まるかと思いきや、次から次へと感染拡大の波が訪れ、今は次の拡大の予兆さえあります。 こんなに長く続くと本当に疲れてしまいます。 結晶作りは、コロナで開館できない間のちょっとした「気晴らし」でした。 はじめは5㎝ぐらいまでになったらすごいだろうなと思っていたのでした。 しかし、まもなく5㎝を超え、10㎝を超え、 とうとう未知の領域に。 今は、コロナが収まることを願いつつ、もっと大きくしてやろうと前を向いています。 理科ハウス 山浦安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年6月24日(木) (NO.1016) 「アインシュタイン」展 今年はアインシュタインがノーベル賞を受賞して100年です。 来年は来日100年ですね。 これを記念して大阪市立科学館では『もっと知りたい!アインシュタイン』展が行われています。 そこでは日本の科学者、石原純や桑木彧雄との交流についても紹介されています。 論文、写真、手紙などの資料の一部は理科ハウスが提供。 どんなふうに展示されているのかとても気になるところです。 大阪市立科学館は、緊急事態宣言で休館になっていましたが、 ようやっと宣言が解除されて22日から開館しています。 この展示は8月22日までやっているので近くの方は行ってみてください。 関西の方がこのホームページを見ているかどうかわかりませんが、興味のある方に教えてあげてくださいね。 ついでに大阪市立自然史博物館でもアインシュタインの展示があります。 こちらは7月17日~10月10日です。 理科ハウス 森裕美子 -------------------------------------------------------------------------- 2021年6月14日(月) (NO.1015) 「理科ハウス」という名前は正しくない! 昨日、来館した高校物理の先生が突然こんなことを言うのです。 「えっ? 先生、それはどういうことですか?」と聞き返すと、 「だってさ、理科って言うと科学館のようなところだと思うじゃない」 「いや、だから科学館なんですよ」 「他の科学館と明らかに違うよ、ここは。名前変えたほうがいいよ」 「じゃあ、どんな名前ならいいんですか」 「そうだなあ、『脳みそ科学研究所』ていうのはどうかな」 (え-、ださ) 「ここに来ると頭を使うからね。もしかしたら、こっちがホントの科学館かもしれない」 先生、理科ハウスのことをよく理解してくれた上でのご発言だったのですね。うれしいです! でも、私たちは「理科ハウス」という名前がとても気に入っているのです。 だから名前を変える気はありません。 先生、ありがとう。 理科ハウス 山浦安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年6月10日(木) (NO.1014) SSHでユビナガコウモリの研究 「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」をご存じでしょうか。 文部科学省の事業で、科学技術や理科・数学教育を重点的に行う高校を指定する制度のことです。 その指定を受けている神奈川県立横須賀高校では、これまでさまざまな探求活動を展開し、研究成果をあげています。 そしてこのたび今年度から、理科ハウスもSSH活動に参加することになりました! コウモリの会と横須賀市自然・人文博物館との共同研究で、 テーマは「三浦半島のユビナガコウモリの謎に迫る!」です。 今日は、生徒さんに説明をするために、横須賀市自然・人文博物館に行ってきました。 三浦半島には、かつて(1950~60年代)10数カ所のねぐらで生息していましたが、今はもう2カ所しか残っていません。 池子の森は、その残された貴重なねぐらのひとつです。 一方で、池子の森からどこに移動していくのか、実際何を食べているのか、その生態は謎に包まれています。 ユビナガコウモリは夜行性ですし、超音波で獲物を捕らえるため、観察するのはとても難しいのですが、 ひとつでも新たな事実がわかれば、大発見につながる可能性があります。 今日は、そのコウモリの魅力と、調査方法についてお話したのですが、参加した生徒さんはみな興味を持って聞いてくれました。 わからないことだらけの研究は、予想がつかない分、ちょっぴり不安でもありますが、わくわく感もハンパないです。 高校生とともに、新たなことに挑戦できる幸せを感じています! 理科ハウス 山浦安曇 -------------------------------------------------------------------------- 2021年5月22日(土) (NO.1013) 物理の本 東京物理サークルの上條隆志さんから本を2冊送っていただきました。 『物理なぜなぜ事典 1 力学から相対論まで』 『物理なぜなぜ事典 2 場の理論から宇宙まで』です。 著者は江沢洋さんと東京物理サークルで日本評論社からの出版です。 物理に詳しい方なら江沢洋さんのお名前はご存知かと思います。 これらの本は最初、2000年に出版されたのですが、その後増補版が出、そして今回増補新版となりました。 理科ハウスに本が送られてきた理由は本の帯にあります。 石原純が岩波の雑誌「科学」にかかわっていたときに創刊にあたって書いた言葉を帯に使ってくださったのです。 「科学することの真の楽しさを味わったとき、彼は一人の科学者であり得る」 上條さん、ありがとうございました! 理科ハウス 森裕美子 -------------------------------------------------------------------------- 2021年5月16日(日) (NO.1012) 13年目を迎えて 今日は理科ハウス13歳のお誕生日です。 毎年、忘れずにお祝いにかけつけてくださる方々が、このコロナ禍の中も来てくださいました。 自分の誕生日には何も起こらないのですが、今日は本当にうれしい日です。 みなさんにお祝いしてもらうと、「また一年がんばろう!」という気持ちになります。 理科ハウスは成長しているかどうかわかりませんが、毎年の思い出は積み重なっていきます。 コロナ禍のこんな日々のことも「あのときはみんな大変だったよねえ」と過去形で言える日が早く来ますように。 理科ハウス 森裕美子 お花はMさんからのプレゼント。黄色のアレンジ、元気が出ます! Yさんからはたくさんの寄付をいただきました。 Yさんは、ウクレレで「♪ハッピーバースデイ 理科ハウス」を生演奏してくれました。 -------------------------------------------------------------------------- 2021年5月11日(火) (NO.1011) 初夏の池子の森 本日、池子の森自然公園でモニタリング1000里地調査を行いました。 その結果を、理科ハウスの入り口に展示している情報ボードに反映させましたので、前を通りかかったらのぞいてみてください(毎月2、3回更新しています)。 池の近くを歩いているとき、聞き慣れない音がしてきました。 言葉で表現するのが難しいのですが、 せんたく板のようなギザギザのはいった木の板を、棒でこすった時の音。 文字で書くと、カララ カララといった感じです。 これは「モリアオガエル」の鳴き声です。 モリアオガエルは、元々三浦半島には生息していませんでした。 ところが近年、三浦半島のあちこちで見つかり始めています。 人が遠くから持ち込んで放してしまったようです。 地域によっては、モリアオガエルは天然記念物ですが、三浦半島では明らかに外来生物です。 実は、昨年の調査でトンネルの手前にある湿地で鳴き声を聞いていたのです。 そして、今年はとうとう緑地エリアで! 時間の問題だと思っていたけど、うーむ ショックです。 いや、そもそもカララ カララという声のバックで、ブオーッ ブオーッというウシガエルの声もしているのですが・・・汗。 外来生物ですから、在来の生き物との食べ物をめぐる競合など、生態系に影響を与えるのではないかと心配です。 アライグマ、ミシシッピアカミミガメのように、取り返しのつかない状況にならなければいいのですが。 しばらく観察を続けます。 理科ハウス 山浦安曇 --------------------------------------------------------------------------